Miso-mythology & Soy sauce‐society
~味噌と醤油は愛をささやく場面にふさわしいか~
2010年2月28日日曜日
上村一夫「怨霊十三夜」(1976)~上村一夫作品における味噌汁(8)~
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劇中、上村一夫(かみむらかずお)さんが“こころ”に彫りこみを入れ、襞(ひだ)をこまかく加えていくとき、僕たちの目の前にこつぜんと“食”が佇立します。そして、奇妙な存在感を保ちながら男なり女なりに擦り寄っていく。想いがふたつ真向いせめぎ合うところ、恋慕の情のひどく迷走するところ、...
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2010年2月23日火曜日
上村一夫「関東平野」(1975)その2~上村一夫作品における味噌汁(7)~
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卑弥呼「いい男だねぇ……先生は…… だんだんああいう日本人がいなくなっちまうんだろうねぇ…… あんたもいいひとに引きとられたよ……」 金太「………」 卑弥呼「たべる?」 金太「いいえ 結構です………」 卑弥呼「先生なら黙って食べてくれるよ」 金太「………(味噌...
上村一夫「関東平野」(1975)~上村一夫作品における味噌汁(6)~
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かれこれ二十四年も前になります。駅前の繁華街からちょっと外れたところにあった喫茶店の片隅で、薄まるアイスコーヒーを舐め舐めページをめくったのが上村一夫(かみむらかずお)さんの「関東平野」(*1)でした。 あの頃は銭湯通いの社員寮暮らし、プライバシーはなくて当然でした。週休二日...
2010年2月16日火曜日
上村一夫「サチコの幸」(1975)~上村一夫作品における味噌汁(5)~
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“食事”が日常の通過点として明滅するだけでなく、人間のこころの奥底に眠る羨望や懊悩といったものを代弁する目的から“かたちづくられる”。そんな上村一夫(かみむらかずお)さんのこだわりの技法がある訳だけれど、思いが強過ぎることからでしょう、時に物語の構造を破綻させる事すらありました...
2010年2月15日月曜日
12mの水の上~日常のこと~
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療養中の友人を見舞いに行く途中で、ちょっと寄り道をしてダムまで足を延ばしました。満々と水をたたえた勇姿を見れば気分爽快間違いなしと踏んでのことでしたが、あにはからんや、湖面はすっかり干上がって白い雪で覆われているのです。 ちがーう、違います。何かてんとう虫みたいのが片隅...
2010年2月12日金曜日
上村一夫「離婚倶楽部」(1974)~上村一夫作品における味噌汁(4)~
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朝食のテーブルに背を向ける「マリア」と蕗味噌(ふきみそ)づくりから目をそらす「狂人関係」の二篇からは、まっとうな“食事”から遠い位置に主人公をいざなうことで心の陰翳を一層鮮やかにする、上村一夫(かみむらかずお)さんの作為が浮かび上がります。 主人公や恋人たちの抱える情念の深...
2010年2月8日月曜日
上村一夫「狂人関係」(1973)~上村一夫作品における味噌汁(3)~
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再び上村一夫(かみむらかずお)さんについて。彼の“決めごと”に「情念の高潮や心境の錯綜が“食事”を遠ざけて、かぼそくする」というのがあるのですが、これから紹介する「狂人関係」(*1)はその好例です。 おどろおどろしい題名ですが、中身は文芸もの、人情ものです。江戸の画家葛...
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