Miso-mythology & Soy sauce‐society

~味噌と醤油は愛をささやく場面にふさわしいか~

2011年3月29日火曜日

中沢啓治「はだしのゲン」(1973)~たのむけえ~

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ゲン「ほら おかあちゃん 口をあけえや ほらほら    しっかり食ってはよう元気になってくれよ……」 君江「ハアハア 元(げん)いま食べたくないけえ あとで…」 ゲン「だめじゃ 無理しても食べるんじゃ 食べないと体が弱る    ばっかりじゃないか  わしが買い出しで手に...
2011年3月25日金曜日

手塚治虫「ワンサくん」(1971)~託されていること~

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「──というわけでわしは会社をやめさせられたんだ…」 「いいのよ そのかわりこんなかわいいイヌをひろったんだから」 「こいつワンサって名にしようよ」(*1)  生後まもなく母親から引き離され、わずか10円で売られてしまった子犬が主人公です。母恋しさから逃げ出して、煤煙と汚水を...
2011年3月4日金曜日

村上龍「村上龍料理小説集 Subject 22」(1988)~舌を刺した~

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その年のクリスマスが終わった日、十二社の店で、もう会えない、 と彼女は言った。何か言おうとしたが声が出なかった。彼女も 理由を一切喋らなかった。二人とも無言のまま、小海老の前菜と、 鯖の入った椀と、蒸し鮑を食べ、ギヤマンのアンティーク器で 濁り酒を飲んだ。 「冬だけど、あれを作っ...
2011年3月3日木曜日

林芙美子「清貧の書」(1931)~美味かった?~

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 林芙美子(はやしふみこ)さんのことを書いた評伝(*1)を数年前に読んでいます。激しい気性や貪欲過ぎる姿勢がまわりの人たちを唖然とさせ、辟易させたことが読み取れ、もしも身近にいたら気苦労が絶えないことが容易に想像出来ました。なのに、彼女の小説を僕はいまだに読み進めている訳で、つ...
2011年2月21日月曜日

桐野夏生「ポリティコン」(2007)~何となく箸を付けるのが~

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「東一、朝ご飯かねの?」 ヤイ子が東一を認めて顔を上げた。手拭いを姉さん被りにして、 モンペズボンにゴム長靴。厚着で膨れ上がった体に割烹着を 着けている様は、どう見ても農家の主婦だ。(中略) 「いや、食った」 東一は、二匹の犬の頭を交互に撫でながら、嘘を吐いた。 味噌汁と飯と干し...
2011年2月17日木曜日

Gravy~何もかもが、その一分一秒にいたるまでが~

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No other word will do. For that's what it was.Gravy. Gravy, these past ten years. Alive, sober, working, loving, and being loved by a go...
2011年2月10日木曜日

与謝蕪村「新五子稿」(1770)~秘めた願いがあるのか~

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味噌汁を食わぬ女の夏着哉   (*1) 「身近な存在で私たちの食生活に欠かせない“みそ”の、再認識のために」編まれた一冊の本(*1)があります。六百頁近くある労作です。その中に「みそを詠んだ俳句・川柳・狂歌」という章がありましたので、先日つらつらと眺めていました。 たとえば正岡子...
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