Miso-mythology & Soy sauce‐society
~味噌と醤油は愛をささやく場面にふさわしいか~
2011年4月30日土曜日
宮部みゆき「裏切らないで」(1991)~俺たちに背中を向けてる~
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加賀美敦夫(かがみあつお)は、パジャマのままで歯を磨き顔を洗うと、 タオルで手を拭きながら台所へ入った。二口コンロの前では道子が味噌汁を かきまぜている。彼が口のなかでもごもごと「おはよう」と言うと、 妻は訊(き)いた。 「卵、落とします?」 「うん」 道子はきびきびと振り向...
2011年4月20日水曜日
池田敏春「人魚伝説」(1984)~成仏出来んなぁ~
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○ のぶの家・台所 のぶに続いて、みぎわが入って来る。 のぶ さーさ、坐って食べた食べた。 食卓の上には、御飯と味噌汁、干物と漬物が並べられている ── みぎわ、箸を取るが、ぼんやり食欲無げに見返しているのみ。 ( 中略 ) のぶ ちゃんと食べんと …… 。 辰雄...
2011年4月15日金曜日
谷口ジロー「センセイの鞄」(2008)~闇の中で わたしたちは~
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そのような訳ですから、僕は谷口ジローさん描くところの「センセイの鞄」(*1)をとある街の古書店で見つけて最初に購読し、その後になって川上弘美さんの原作(*2)へと遡ったのでした。 よく手入れされた盆栽みたいな枯れた風情がいよいよ増して来ている谷口さんの絵ですが、初期の犯罪...
2011年4月13日水曜日
森瑤子「男殺しの一皿」(1991)~最後におしょう油をじゅっと~
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渦中の発電所に程近い街、と言っても○○kmも離れた場処を“近い”と表現していいのか微妙ですが、所要があって先日訪ねました。地震の爪痕が生々しくって息を呑みました。遊技場や車の展示販売店の大きなガラス窓が割れ落ち、安全のために出入りが禁じられて人影がありません。茫漠としてひどく...
2011年4月11日月曜日
川上弘美「センセイの鞄」(1999)~やっぱり~
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正月の三日、兄一家が年始のあいさつに行った昼に、 母が湯豆腐を作ってくれた。母の作る湯豆腐が、 昔からわたしは好きだった。(中略) おいしい。わたしは言った。あんたは昔から湯豆腐が 好きだったわね。母も嬉しそうに答えた。どうしても、 自分ではこういうふうに作れないの...
2011年4月1日金曜日
「みそサイエンス最前線」(1995)~やれること~
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「味噌を摂取することで放射線障害に対抗し得る」という噂は先に紹介した臨床医秋月辰一郎(あきづきたついちろう)さんの伝記、ロシアでの事故後に急増した輸出量、そして広島大学の皆さんによる研究リポートなどをその根拠としています。このうち大学機関の研究概要は白い表紙の冊子(*1)に収...
2011年3月29日火曜日
中沢啓治「はだしのゲン」(1973)~たのむけえ~
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ゲン「ほら おかあちゃん 口をあけえや ほらほら しっかり食ってはよう元気になってくれよ……」 君江「ハアハア 元(げん)いま食べたくないけえ あとで…」 ゲン「だめじゃ 無理しても食べるんじゃ 食べないと体が弱る ばっかりじゃないか わしが買い出しで手に...
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