Miso-mythology & Soy sauce‐society
~味噌と醤油は愛をささやく場面にふさわしいか~
2012年2月12日日曜日
夏目漱石「草枕」(1906)~通じねえ、味噌擂(みそすり)だ~
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「痛いがな。そう無茶をしては」 「このくらいな辛抱が出来なくって坊主になれるもんか」 「坊主にはもうなっとるがな」 「まだ一人前じゃねえ。――時にあの泰安さんは、どうして死んだっけな、御小僧さん」 「泰安さんは死にはせんがな」 「死なねえ? はてな。死んだはずだが」 「泰安さんは...
2012年2月2日木曜日
吉村龍一「焔火(ほむらび)」(2012)~ふんだんにあるものの~
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翌日からおれは台所をあずかることとなった。 牛殺しは毎朝六時にでかけていく。それまでに飯を炊き、 弁当をこしらえる。一度に腹におさめるのは、一合の飯。 朝は味噌汁、梅干し、高野豆腐の煮付け。弁当に握りこぶし ふたつ分の握り飯と、味噌漬け。夕食は芋と大根の炊き合わせが 主な副食...
2012年1月25日水曜日
楳図かずお「恐怖への招待」(1988)~まっきっき~
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断わる勇気がなかったのと、気が弱いものだから、くたびれて いるし、押しきるパワーが足りなくて、とうとう、やるしかないと いう気になっちゃった。やったんだけど、案の定、次の日、 朝起きると、普段だと前の日くたびれていても、とりあえず朝に なるとくたびれが抜けているんだけど、朝起...
2012年1月21日土曜日
楳図かずお「井戸」(1974)~長い髪の毛~
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食卓についている男と妻 椀をかかげて味噌汁をすすっていた男が、不意に大声をあげる 男「あっ!?」 妻「どうなさいました……!?」 男「みそしるの中から長い髪の毛が!?」 妻「まあ!?」 場面一転、街なかの公園 背広姿の男がその中を歩きながら、怪異を思い返してい...
2012年1月7日土曜日
「ヒトにおけるSOS応答生理機能の創成に基づく味噌ないし麹による遺伝子を守る効能の発見─被曝に対する防護策を求めて─」(2011)~示唆~
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新年会で知人がおいでおいでと手招きします。おみやげと称して取り出したのは、緑色の表紙の薄い冊子でした。ゴシック体で「日本醸造協会誌」と白抜きされている、いかにも硬い顔立ちの学術誌です。 なかに“被曝に対する防護策を求めて”と小題を掲げた文章があり、目が釘付けになってしまいまし...
2011年12月30日金曜日
山本義正「父 山本五十六」(1969)~一口吸うものだ~
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ある朝、食卓にのった沢庵(たくあん)があまりにおいしそうだった ので、母が飯をよそってくれるのを待ちきれず、私はひょいと手を のばして沢庵だけを食べたことがある。すると、私の向かいにすわって いた父が、 「漬け物というのは、ご飯のおわりごろに食うものだ。」 と言った。そこで、私...
2011年12月24日土曜日
リシャール・コラス「息子の帰還 Le Retour」(2007)~灰色の綿のような~
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父の前に置かれた味噌汁の表面は、灰色の綿のようなもので 覆われていた。母が手に持つ漬け物には黴(かび)がまだらに 生えていた。男は身を凍らせたまま、後ろ手に、一気に扉を閉めた、 思ったよりも勢いよく。扉は鈍い音を立てて縁枠にぶつかり、 空気の渦が生じた。(*1) そそくさ...
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