Miso-mythology & Soy sauce‐society
~味噌と醤油は愛をささやく場面にふさわしいか~
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2012年2月28日火曜日
“Уха(ウハー)”
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“食べもの”を口に含んだ瞬間、こころの芯を燻(いぶ)され、思いがけず汗ばみ上ずって、やがて軟化させられた挙句に深い恋に落ちる、そんな設定のお話がたまにあります。 それ等はどれもこれもが地味な顔立ちをしており、起伏に欠けて退屈至極の内容と思われがちなのだけど、実際は隅々まで細工...
2011年12月3日土曜日
"Lilacs"
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革命によって仕事を奪われ、生活圏を追われ、四十半ばにして新天地を求めざるを得なかった作曲家の半生を描いた映画を観たところです。思えば偉人たちに限ったことではなくって、僕たちの数世代上の誰しもが途方も無い長く苦しい旅の当事者です。ここ半世紀の安泰に慣れ過ぎてしまった僕たちではあり...
2011年10月31日月曜日
“ひとり観”
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前からも後ろからも真ん中あたりの列、中央寄りの席に座っています。国家元首か大富豪がプライベートの上映室にワイン片手に陣取った風でもあり、見た目には豪華な感じがしないではありません。夕方の回なのに、いや、夕方の回だからなのか分からないけれど、結局誰も入って来ないのです。百席ほど...
2011年10月23日日曜日
You are what you eat
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先日、何年かぶりにある映画(*1)を観直しました。 仕事に行き詰まった初老の作曲家が主人公。溺愛する娘を喪い、そのあげく妻との仲もこじれてしまったのか、単身海辺の避暑地にやって来ます。持病である壊れかけの心臓を療養するのが目的ですが、精神的に追いつめられての雲隠れ、逃避行なの...
2011年2月1日火曜日
“醸造家の運”
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あるとき、ある人が、 「フランス人にとってのワインは、日本人の味噌汁のようなものだそうですね」 と、私に言った。 チーズ(フロマージュ)は、漬物に相当するとかねて考えていたので、 その言葉を聞いて、「なるほど」とおもった。(*1) 欧米の“ワイン”に拮抗し得るものが仮に日本にあ...
2010年9月12日日曜日
晩夏
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若くして逝った家族を供養するものとして、僕の住まう地方には神社へ“絵馬”を奉納する慣習があります。 いや、慣習と呼べるほど根付いてはいないのだけど、そういった切実なこころを受け止める装置と成っている社(やしろ)が幾つか点在している。昨日訪れたところはその代表格のような場処でし...
2010年6月26日土曜日
「ファイブ・イージー・ピーセス」(1970)~“MEN"~
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先程までの青天が嘘のようです。灰色の雲に覆われた空からはジェット旅客機の轟々と言うエンジン音が落ちてくるばかり。あんなに元気だった陽射しは遙か高層にお預けとなりました。間もなく雨がぽつぽつ落ちてもきましょう。今夜は南の空に部分月食が見れるというので楽しみだったのだけど、難し...
2010年4月25日日曜日
「愛の狩人」(1971)~二十年という歳月~
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劇画家の上村一夫(かみむらかずお)さんの生誕70周年を記念して、列島を巡回するかたちにてブックフェアが始まったようです。(*1) 身近に住まう七十代の人たちと、著作を通じて日々体感する上村作品の若々しさが反発して妙な具合です。没後25年と言った方がしっくり来るものがありますね。...
2009年12月2日水曜日
殺し屋よりもひどい~日常のこと~
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仕事に忙殺されて、ここしばらくは過ごしています。 ようやくにして身近にインフルエンザが現われて、公私共に気ぜわしい師走となりました。 鏡や窓に対峙する度に、白い口ばしを付けた自分の姿にぞっとさせられています。鳥のような、河童のような、そうでなくとも表情の乏しい僕は人...
2009年10月15日木曜日
「厨房で逢いましょう」(2006)~恋文としてのレシピ~
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食と恋愛を連結させて描いたドイツの劇映画(*1)がありました。容貌に恵まれない孤高の天才シェフと障害のある子供を持った既婚女性とが出会い、料理を通じて魂を重ねていく現代のおとぎ話です。それでも妙なリアリティを薫り放って、こういう世界も何処かには実際あるのだろうなと思わせる力が...
2009年6月21日日曜日
「持参金のない娘」(1984)~浮世離れしたジャム~
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ふわっと照明が点り、エンドロールを映し終えたスクリーンが浮かび上がる。瞳に残影がありありと宿って感情の昂ぶりが取れない。そんなほろ酔い気分のときに、大学で教鞭をとる専門家が解説をしてくれる洒落た映画観賞会があります。地元の劇場での月に一度の夜会です。バーテンダーに由来や製法を教え...
2009年6月13日土曜日
「シェルブールの雨傘」(1964)~俺の香水~
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デジタルリマスターされた「シェルブールの雨傘」(*1)と「ロシュフォールの恋人たち」(*2)を観て来ました。その不器用なところが気性に合うのか、60年代から70年代後半までの恋愛映画は僕のお気に入りです。 もっとも「ロシュフォール」の方は、年若い男女(カーニバルを彩るイベント屋)...
2009年5月20日水曜日
はじめまして~「ラ・ボエーム」(2008)~
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はじめまして なんて大それたタイトル!“みそ神話としょうゆ学会”! 馬鹿じゃないかしらん、新手のカルトかよ、それとも変質者かしら、 余程アブナイ人なんじゃないかしらん── 中味はありふれた個人的な日記です。 それにしても何故“お味噌、お醤油”というキーワードにこだわるか、と言えば...
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